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遺言・遺留分減殺請求

遺留分の基礎知識

投稿日:2018年10月31日 更新日:

はじめに

親や夫などが亡くなって財産が遺されているとき、相続が発生します。相続が発生すると遺産を分けなければなりませんが、分け方を決めるにあたっては故人の遺言があるかどうかがまず問題になります。

もし遺言があった場合には、その遺言に従った相続がなされることになります。

その際に、遺言の内容が、特定の人に遺産のすべて又は大部分を贈るというもの(例:全財産を長男に相続させる、全財産の9割を愛人に贈る。)だとしたら、ほかの相続人にとっては不公平な感じがするのではないでしょうか。

法律上は、遺産を(ほとんど)もらえなかった相続人が、やっぱりそれは不公平だ、と考える時、相続人によっては“最低限保証された取り分”を、遺産をもらえた人に対して主張していくことが可能です。とくに、遺産をもらえなかった相続人が故人の財産に依拠して生活をしてきた場合など、こういった請求をすることが必要になってくると思います。

この“最低限保証された取り分”は民法1028条に規定されていて、「遺留分」と呼ばれます。そして、遺留分を遺産をもらえた人に請求することを、「遺留分減殺請求」といいます。

遺留分とは

遺留分とは、上に述べたように、民法1028条に規定されている相続人に保証された取り分のことです。

特定の人に遺産のすべて又は大部分を贈るという遺言も効力としては有効あって無効ではありません。しかし、それではほかの相続人の遺留分は侵害されています。

遺留分を侵害された相続人としては、遺言が有効であることは認めたうえで、遺留分を侵害された範囲で遺産を取り返すことができます。遺留分減殺請求とは、この取り返せという請求のことです。

遺留分減殺請求権を行使できる相続人は、亡くなった人の子、直系尊属(親・祖父母)、配偶者(妻・夫)に限られ、亡くなった人の兄弟姉妹は除かれます。

そして、遺留分というのが相続財産のどのぐらいの割合を占めているのかという点ですが、①直系尊属のみが相続人のときは相続財産の3分の1、②その他の場合には相続財産の2分の1、ということになります(民法1028条)。

例えば、父親・母親と子供1人という家族において、1000万円の遺産を遺して父親が死亡し、父親の遺言が「愛人に全財産を贈る」というものだった場合、遺産の2分の1が遺留分となりますので、500万円は愛人の手元に行くことになりますが、母親に250万円、子供に250万円が遺留分として認められます。

遺留分減殺請求の方法 ①交渉

遺留分減殺請求の方法として、何か特別な方式が決められているということはありません。一般的に手始めとして、遺留分減殺請求の相手方に対して、遺留分減殺請求をする旨の通知をします。この通知については、相手方に到着したことを証拠に残すために配達証明付きの内容証明郵便で通知書を送ることが通常です。

通知書を郵送して、相手方の反応があれば交渉をすることになります。この交渉の結果、相手方と合意ができれば、そこで解決となります。なお、合意の内容については、後で争いになることを避けるため、双方が署名押印する書面の形で残しておくべきです。

遺留分減殺請求の方法 ②調停

当事者間での話がまとまらなければ、家庭裁判所に調停を申し立てることを考えます。調停とは、裁判所が調停委員を仲介させて話し合いを進める手続きです。

遺留分についての事件は、家庭の相続に関する事件ですので、いきなり訴訟を提起するのではなく、その前に調停を起こして、裁判所のもとで話し合いをすることが求められています。

この際に手続きを行う裁判所は、相手方の住所地を管轄する裁判所です。
何回か調停に期日が重ねられて、話し合いにより妥結できれば、できた合意の内容をまとめた調停調書が作られ、調停が成立します。

遺留分減殺請求の方法 ③訴訟

調停で話し合いがつかなかった場合、遺留分減殺請求の事件は、他の家事事件のようにそのまま審判に移行することはありません。どのような手続きになるのかというと、地方裁判所(額によっては簡易裁判所)に対し訴訟を提起することになります。

このときの裁判所は、相続人の最後の住所地を管轄する地方裁判所(または簡易裁判所)となります。

訴訟は、訴状(自分の請求を記載した書面)を提出し、裁判所により期日が指定され、期日と期日の間にお互いの当事者が自らの主張を記載した書面(準備書面といいます。)や証拠を提出します。

訴訟でも、裁判所の仲介のもと、当事者双方が一定の妥協点を見出して和解がすることもあります。
ただ、和解も成立しない場合には、今までの主張や証拠をもとに、裁判所が判決を出します。

このような手続きにより遺留分減殺請求は行われます。思い当たるところがあっても、具体的にどのようなことができるのかまだまだ分からない方も多いと思いますので、お気軽にご相談ください。

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